カフェベルガ・ボイス

障害者の社会参加を応援するカフェの広報紙。バックナンバーを掲載しています。

セグウェイでわくわく体験

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新しい乗りもの、『セグウェイ』。
数年前にニュースに取り上げられるようになってから、街やイベントで見たという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はつくば市では、このセグウェイが国内で唯一公道を走る実証試験を行っているのです。

昨年暮れの12月15日、この実証試験を行っている『セグウェイシティガイドツアーつくば』さんのご協力で、カフェベルガ訓練生がセグウェイに乗ってみるという体験をさせていただきました。

f:id:berger-support:20170227141145j:plain今回はつくばセンターペデストリアンデッキの上で、5分から10分ぐらいの間、カラーコーンを置いた中を移動するコースです。
まずはイノベーションプラザの中で、インストラクターさんから、今日の流れや注意事項の説明。

変わった形のヘルメットを装着して、いざスタート。
最初はどこに力を掛ければいいのかわからずちょっとフラフラしそうになるのですが、インストラクターさんのわかりやすいアドバイスで、すぐに誰もがすいすい乗りこなせるようになりました。
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走らせながら会話をすることだってできます。
インストラクターさんはセグウェイの詳しい性能や、日頃行っている公道でのツアーについても聞かせてくださいました。

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乗り終わって、お世話になったセグウェイをしげしげと眺めます。大きなタイヤが目立ちますね。
注目はその間に渡されたステップです。
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ここに立つことで微妙な傾きなどを感知しているのですが、真ん中あたりに十字型に並んだ赤いランプが見えるでしょうか?
ステップが平らで、乗っても大丈夫な時はこのランプが青く変わります。赤い時は傾斜がある時で、そのまま無理に乗ろうとすると、バイブレーターのようにブルブルと震えて警告を出すのです。
ナウシカに出てくる王蟲みたいですね」「言われてみれば……(笑)」

最後にもう一度、インストラクターさんのお話をうかがいました。
「私たちとしても初めての取り組みでしたので、今回の経験を元に、次は路上での体験会など、もっとこういった取り組みを広げていきたいですね」とのこと。
訓練生やスタッフからも、楽しかった、個人的に一般の体験会に申し込むのもいいかも、などといった感想が聞かれました。
セグウェイシティガイドツアーつくば』さん、貴重な機会をありがとうございました!

たけやぶつづり 第一回『発達障害って、なにもの?』

カフェベルガ訓練生が、「私たち」についてつづるコラムです。

 

 発達障害、という言葉が、メディアやインターネットで流れるようになってずいぶん経ちます。これまで一度も目にされたことがない方は少ないことでしょう。
 それがある特定の人たちに結びつけられる言葉であることは、皆さんご存じかとは思います。でも、それが「どういうことか」というのは、あんまり知られていないのではないでしょうか?

 よく言われているのは、

 人の気持ちがわからないらしい。
 空気が読めないらしい。
 コミュニケーションが取れないらしい。

……なんだかUMAみたいですね。雪男とか。

 なんだかデカいらしい。
 毛が生えてるらしい。

 こういうことはみんな知っていても、それが「どういうことか」――つまり

 デカいと言っても、電柱くらいなのか、ビルくらいなのか、はたまた頑張れば人間と言い張れる大きさなのか。
 生えている毛はゴワゴワなのか、もふもふなのか、色は、長さは。

 それに答えられる人、あんまりいないですよね。なにせ誰も見たことないですし(僕見たよ! という方いたらごめんなさい)。
 テレビでは時々見るんですけどね。――そう、雪男と発達障害の人たちにはもう一つの共通点があります。

 テレビやネットでは、実際に見てきた人たちや有名な当事者の限りあるケースばかりが共有され、「ステレオタイプ」のイメージ一色になりやすい、ということです。

 ためしに、「日本人」ってどんなイメージだか、思いつくだけ挙げてみてください。

 まじめで勤勉?
 細かいものを作るのが得意?
 体面を大事にする?
 礼儀正しい?
 先祖を大事にする?

 ちょっと古いかもしれませんけど、こんな感じですよね。
 では……、「関西人」「九州男児」と言われたとき、どんな人をイメージしますか? 「日本人」のイメージとはだいぶかけ離れたものが浮かんだのではないでしょうか。
「関西人」だっていろいろ別れてます。京都人だからお笑い好き、とはあんまり言わないですよね。
 でも、関西人や九州男児が日本人じゃないなんてことはありません。「日本人」という大まかなくくりじゃ全員が必ず当てはまるわけではないというだけの話です。
 それと同じように、発達障害の人の中にも、世の中で知られた特徴が当てはまらない人はとてもたくさんいます。

 自分の世界に閉じこもって、人と話したがらない。
……話すのが好きな人もいます。
 図鑑や数字が好き。
……物語やことばにこだわる人もいます。
 好きなことに集中すると周りが見えなくなる。同じ作業が得意。
……十五分おきに別の作業をした方が効率がいい人も。
 記憶力がすごい。天才。
……多くの人は、特殊な才能なんて持っていません。

 発達障害を持つ人には、一人として同じ特徴を備える人はいないとまで言われます。
 でも、日本人で言うところの、髪や目が黒い、という程度の「共通点」はあります。それがある人が発達障害と診断されます。

 そして、日本人の血液型にはA型が多い、と言われるのと同じように、外見からはわからない傾向も存在します。

 生まれつき他の人とは何かが違う。
 一見どこも悪くないのに、いろんなことがうまくできない。
 悪気があるのではなく、自分でもコントロールが難しい。

 障害だから、病気とは違って治らない。
 でも、成長しないわけではない。
 もし発達障害に生まれついても、周囲の関わり方によっては幸せをつかむこともできる。

……あなたが突然外国に引っ越したといたら、その国の人はどんな人だろう、と知ろうとしませんか? 好奇心からでも、それからの自分の生活を楽にするためでも。
 そんなとき、隣に住んでるお姉さんの好みとか探るのは一つの手ですよね。
 そのほかにも、新しく好きになったアーティストがいるとき、メンバーやスタッフ、ファンにどんな人がいるか調べませんか? 新しい学校に通うことになったとき、そこの先生のつぶやきを見つけたら読んでみませんか。

 私は発達障害です。話すことが好きで、図鑑も科学も好きですが、数字よりは言葉や物語にずっと魅力を感じます。
 読んだり聞いたりしたことや昔のことは結構覚えていますが、それを売りに食べていけるほどではありません。

 私は竹やぶに建つ不思議な屋敷の住人です。ここにはいろんな人が住んでいて、それぞれまったく違う特徴を持っています。
 このコラムでは、そんな彼らのことをご紹介します。
 興味を持っていただけたら、とても嬉しいです。

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吉田代表インタビュー・「カフェベルガのあゆみ」

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おかげさまでカフェベルガは創立20周年!
このたび、みなさんともっと身近なお店になるため、お店の声をお届けすることになりました。 第一回は、吉田代表へのインタビューでベルガの歴史を振り返ります。 ぜひご覧ください!

 

今から20年前の1996年、カフェベルガは、つくばカピオのオープンと同時に産声を上げた。
つくばの大清水公園に多目的文化施設が建設される、という話は以前からあった。
この施設に市民が自由に使える福祉的スペースを作ってほしいという要望に沿って、つくば市福祉等連絡協議会にレストランを営業しないか、という話が持ち上がる。
そこで有志が集まり、有限会社友遊舎を立ち上げた。

吉田代表は会社の設立、店舗の立ち上げから参加したスタッフで、初代店長として奮闘した。
「最初はとにかくお店の営業のことで精いっぱいでした」
カフェベルガは、その当初から障害者への支援を行っていたわけではなかった。ただ、スタッフの身近には、様々な障害を抱えていたり、学校などでの生活が困難な若者たちがいた。
そういった若者たちに、カフェでのちょっとした仕事をアルバイトとして手伝ってもらうようになったのは自然な成り行きだったという。
「フロアで彼らがいきいきと元気を取り戻していく様子を目の当たりにして、ひきこもりの青年たちへの支援ができるかもしれない、と考えるようになりました」

転機となったのは2011年。
ダウン症の当事者が、それまで利用していた施設ではケアを受けられなくなり、ベルガに通われ始めたんですね」
市の助言もあり、ここで初めてカフェベルガは『生活支援事業』を提供する施設となった。

そして翌2012年、カフェベルガが現在の姿になる大きな契機が訪れる。
「カフェベルガが発達障害のある若者を対象とした『就労移行支援事業』に取り組むことになったのです」
同じ頃つくば市内では茨城県のモデル事業として、発達障害のある若年層への就労支援プログラムが実施されていた。
この事業のためのネットワークには、既に都内で就労移行支援事業を展開していた企業やつくば市保健福祉部障害福祉課、茨城県内の複数の発達障害支援機関などが参加していた。
そして、2013年3月までの期間が終了した後も、当地で取り組みを継続することが求められるものだった。
「そこでカフェベルガの事業が、その取り組みを引き継ぐことになりました」

2013年4月。つくば市春日に新たな支援事業所がオープンした。
フロアはオフィスを模して作られており、利用者はパソコンを中心とした実務的な訓練に加え、働くことの意義や生活の組み立て方について学んだり、時には外部から招かれた講師によるワークショップで様々なアプローチから就職に繋がる力を付けていく。
翌年からは利用者の増加に伴い、事業所も天久保地区へと移転、『サポートオフィス』としてサービスを提供している。
また利用者個人の適性に合わせ、オフィスでの訓練だけでなくカピオのレストラン『カフェベルガ』での皿洗い、フロアなどの作業も選択することができる。
「皿洗いに来るのがやっとだった方が、パソコンに触れ、独学でインターネットやコンピューターグラフィックスの知識を身につけられ、さらには自らモチベーションを高めて就職へと至ったケースもあります」

しかし、吉田代表が考えるカフェベルガの役割は、それだけのものではない。
発達障害の当事者たちと接すると、皆さん『居てもよい場所』を求めておられるように感じます。必死に学校を出ようとして学歴だけを手に入れても、社会との繋がりを持てるでしょうか。
 訓練に通所すること自体がハードルである方もおられます。ですが、せっかくベルガと繋がりを持てたのですから、それを大切にしたい。ここで取り組むことは何でもいいので、その中から自分がやりたいと思えるもの、手応えのあるものを見つけて、今日生きている自分をつかまえてほしいのです。そして社会と繋がりを持つ」

ベルガには、ここでのアルバイトや訓練を経て社会人となった卒業生が訪ねてくることもあるそうだ。
「『発達障害』には、学校、仕事、恋愛、そして特に家庭など、人生のあらゆる問題が関わります。私たちもそういったことを一緒に考えていけるように、まだまだ専門性を磨いていきますので、どうか遠慮なく、どんな方でもどんなことでもおしゃべりに来て下さい」

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